他社とかぶらないようにしよう
説明会は できるだけ「自社」について事実に即した本当のことをきちんと話すことが大切です 。
自社の 業種・業態の一般論の話はさらっと行って、自社の特徴的なポイントは何かということに 焦点を当てて説明することここがポイントになります。
なぜならば多くの学生は、志望業界というものを持っています。
「食品業界がいい」「商社がいい」「ITがいい」とか、そういうことです。
その場合、多くの学生は同じ業界の複数の会社の説明を聞いています。どこの会社も概ね、「業界の特徴」「商流」について必ず説明します。つまりこの部分はかぶるわけです。
そうすると、「かぶった」部分の説明については「他社と比較されてしまう」
わけです。その説明の上手いか下手かが露見してしまします。
特に、就職活動期間の中盤から後半にかけてが勝負になる、中小企業様の場合はなおさらです。従って、「業界全般の説明」よりも、自社の特徴の部分に時間を割いた方がよいと思います。
できるだけ、具体的に貴社の業務の内容がわかるような工夫が必要です。
雰囲気の重要性
複数内定を持つ学生が、最後の一社に決める要因は何か?
多くの学生に「なぜその会社を選んだのか」と聞いてみると、
説明会の時の「人事の方の雰囲気感や感じが良かったと」いう答えが 半数以上を占めます 。
学生からすると (当たり前のことですが)社会経験が少ないために、 彼らの最も自信を持って判断できる基準とは、
自分が対面した「人」の雰囲気や感じの良さ
ここしか信じることが出来ないと考えています 。ですから説明会の雰囲気あるいは面接の時の面接官の対応、これは非常に重要になってきます 。
ここで一つ問題が生じます。
説明会や、一次面接は、人当たりのよい社員を当てて、最終面接をくぐり抜けた学生の頭の中は「説明会の雰囲気」「一次面接の和やかさやフランクさ」と言った印象が強く残ります。
でも入社してみると、全く雰囲気が違うと言うことで、早期離職につながるケースが比較的多く見受けられます。
私は、新卒学生だけではなく、いったん就職したが早期離職した既卒学生の支援も多く行ってきました。彼らが口を揃えて言うことは、以下の三つに限られます。
A:イメージと違った。説明会で聞いたことと、やらされる仕事が違う。
B:労働条件の相違(時間外が多い、転勤がないと言われていたのに転勤を命じられた、など)
C:直属の先輩や上司との人間関係
Aについては、説明会の時に必ず「自社の雰囲気を体現している社員」に登場してもらうことです。
説明会時に、現場社員の声を届ける企業様は多いようです。また自社のサイトの採用ページには、概ね「雰囲気のよい、イケてる社員の写真」と「ちょっと内容を手加減した一日の仕事ぶり」を記載しているケースが多いようです。
印象をよくするためにサイトはそれでよいと思いますが、説明会時には、「必ず自社の雰囲気・社風を体現している社員」の説明があった方がよいと思います。
またその説明は、パワーポイントなどの資料を使うのは極力避け、アドリブも交えながら臨場感のある「会社の説明」をしてもらった方が、学生的には受けがよいようです。
「説明会の雰囲気がリアルで、あの会社のことがよくわかった」という学生の声をよく聴きます。
逆に、そつなく行う説明会の場合は、そもそも学生にとって印象に残らないようです。
「昨日の説明会、どうだった?」と尋ねても、
「いや、なんかよくわかりませんでした」
と言う回答が、実は圧倒的です。
社員が「余計なことを言わないように」事前に説明文書を作るケースが多いようですが、それだと、説明力に欠ける社員は「棒読み」になってしまい、オンラインの説明会だとなおさら印象に残りません。
Bについては「本当のことをきちんと伝える」ことで回避が可能です。側聞するに、人事担当者が採用数を確保するために、説明会で「自社のよいところだけ」説明すると言うことが行われている会社もあるようです。
しかし、それを行うと、結局「ミスマッチ」を生み、離職の可能性が高くなります。
もちろん、2年から3年で「使い捨てでかまわない」と考えている企業様は別ですが、、、、。そういう企業様は、現在のこのサイトをご覧になっていないと思います。
Cに関しては、「いかに社内の風通しをよくするか」につきると思います。昭和から続く文脈で言うと、アフターファイブの飲み会がとても効果を発揮した時代がありました。しかし今は違います。
1on1を代表とするような、社内における「フラット」な会話を作り出すことが最も重要と考えます。これについては、また別のページで詳しくご説明します。
いずれにせよ、「生の情報」が行き交う組織であれば、新人が何か困っていても、その様子を知ることができ、配置換えや、場合によっては席替えなどで問題が解消することもあります。
