ポジティブがホントに良いの?

青空と雲人生への向かい方
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ポジティブの方が良いのか?

「どんな場面でも。物事にはポジティブな面とネガティブな面があります。そのポジティブな面を見つめることに集中して、自分の変化に気づき自分を変えていきましょう!」

世の中にはこの様な自己啓発のメッセージがあふれているように思います。

あるいは

「どんな出来事が起きても、あなたは貴方らしくそのままの自然体で良いのです。良いところも悪いところも全部素敵な貴方の一部です。自分をハグしてあげてください」

世の中にはこの様な癒しのメッセージにもあふれているように感じます。

どちらが正しいとかそういうことではないし、どちらのメッセージにも共感するところはあるのですが、それと同時にそのどちらのメッセージに対しても、何か胡散臭いというと失礼極まりないのですが、少し見方が短絡的過ぎるように思ってしまうのはボクだけでしょうか。

人にはひとそれぞれの実に多彩な経歴と経験と、場合によっては他人から想像もできないくらいに複雑な事情を抱えている人が多いとボクは思っています。

一見パターンは似ていても、詳細に見ると中身は全く違うモノなのです。

それを「ワンメッセージ」でアテンションする=興味を持たせることに少し無理があると感じているのかもしれません。まあそれはネットメディアの宿命だから仕方ないのですが。

しかしそもそももう一歩踏み込んだときに、ポジティブ⇔ネガティブという、あたかも対立するかの概念をぶつけて、ポジティブを「良いモノ」と規定するということ自体はどうなんでしょか。物事には必ずポジとネガがあるなら、そのどちらも包含した受け止め方を考えていくことの方が、大事だとボクは考えます。

癒しについても同じです。「そのままの貴方が素敵でそのままの貴方で良い」とおだてられたが故に今の「ダメな自分」になってしまったのではないの? と言う皮肉が沸いてきます。ここに置いても、今の自分に至るまでのプロセスの中で、結果今の自分になったことは認めてあげながら、今でない自分に変わりたいのならある種の訓練が必要だとは思いませんか。

ネガティブとポジティブ。今を認めることと次を目指すこと。失敗したことと成功したこと。様々な対立する概念をなんとかして統合させながら、次の一手を考えていく。ボクはいつもそのようなスタンスでカウンセリングに臨んでいきたいと考えています。

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